本の自炊 最初に必要な機材とは?

「本の自炊」とは、紙の本や教科書をスキャンしてデジタルデータにすることを指し、近年、場所を取らず、持ち運びにも便利なデジタル書籍管理として注目されています。

特に本が増えがちな方や、外出先でも多くの資料を出典したい方にとって、本の自炊は非常に魅力的な選択肢となります。 本の自炊を始めるにあたって、まず揃えるべき基本的な道具というか機材があります。


効率的で、かつ良質なデジタルデータ化を目指すのでしたら、本をカットする裁断機とカットした本を読み込むスキャナーの準備が不可欠です。

必要な機材 裁断機

本の自炊、デジタル化にはいくつかの方法がありますが、特に大量ページの書籍を効率的にデジタル化したい場合は、本をページの束に分解する「破壊型」がおすすめです。その際に必要となるのが本の裁断機です

裁断機には様々な種類がありますが、初心者の方にはコンパクトで扱いやすいディスクカッターなどがおすすめです。例えば、カール事務器のDC-210N は比較的軽量で、一度に数十枚程度の紙を裁断できます。厚い本の場合は、無理に一度で裁断しようとせず、数回に分けて裁断すると綺麗に仕上がります。

カール事務器 DC-210N

僕の場合、裁断した際のページが崩れないようにという事もあって10枚単位でカットしています

より大量の本を一気に裁断したいという方には、一度に多くの枚数を裁断できる大型の裁断機も存在しますが、重量があるため、設置場所や移動手段も考慮する必要があります。プラスのPK-513LN のように高性能な機種もありますが、個人的に使うなら手軽なディスクカッターから試してみるのが良いと思います。

本を裁断する場合、定規などをあててカッターで手作業で裁断することも可能ですが、時間と手間がかかるため、冊数が多い場合は裁断機の導入を検討することをおすすめします。
僕のように10枚程度づつカットするのでしたら2~3千円くらいの裁断機で十分です。

スキャナー:紙の情報を読み込んでデジタルデータへ

裁断した本のページをデジタルデータとして取り込むために必要なのがスキャナーです。自炊においては、ADFという自動原稿送り装置が付いたドキュメントスキャナーが非常に便利です

ADFって?
プリンターで印刷する時、用紙をセットしておけば自動で1ページ・2ページと紙送りしてくれますね。あのような感じでセットした裁断済みの本を1枚ずつページ送りしてくれる機能です

ADF機能があれば、複数のページをまとめてセットするだけで自動的にスキャンしてくれるため、効率的に作業を進められます。

一口にスキャナといっても価格や機能によっていろいろですから何を手に入れるか迷うところです。
解像度やスキャンスピードはどうか?Wifi接続か?とか。
僕の場合、引っ越しの機会に本棚にたまった本をPDF化する目的でしたので、エプソンの比較的汎用モデルを買いました。当時4~5万円だったと思います。いまでも全く問題なく使えています。

本の自炊を仕事として行う人は別として、僕のように本棚の整理とかに使うというなら最低限の機能があれば十分だと思います。一般的というか、多くの人が使っているのがリコーPFUのScanSnapシリーズなどがあります。ScanSnapは、高速スキャン や重送検知機能など、自炊に便利な機能を多数搭載しており、多くの自炊ユーザーに支持されているようです。例えば、ScanSnap iX1600 は、高速かつ安定したスキャンが可能で、Wi-Fi接続にも対応といったところです。

ScanSnap iX1600

僕の率直な感じとしては、個人で使うなら、もっと安価なモデルでも十分だと思います。たまった本を整理したいとか、本棚を整理したいとか、たまに自炊したいというなら、もっとグレードの低いモデルでも十分です。価格も3万円程度であるかと思います

エプソン ドキュメントスキャナー DS-C420W (A4シートフィード/毎分30枚/Uターン/2way給紙/Wi-Fi対応/e-文書モード搭載)

裁断せずにスキャンしたいと考える人もいるでしょう。 そのような方にはオーバーヘッド型のスキャナーであるScanSnap SV600 のようなモデルもあります。

富士通 ScanSnap SV600 FI-SV600

この非破壊タイプですと、本を裁断することなくデジタル化できるわけですが、ページめくりを手動で行う必要があります

大切な本や借りた本など、裁断したくない場合に有効ですが、スキャンに時間がかかったり、歪みが生じたりするというデメリットもある点は理解しておくとよいでしょう。

その他、あったら良いものは?

裁断作業では、カッティングマットなどがあると机を傷つけずに作業できます。また、はさみや物差し、セロハンテープなども、細かい作業で役立つことがあります。

本をスキャンしたPDFデータを観覧するためには、PC・タブレットやスマートフォンに加えて、PDF閲覧・管理アプリが必要です。

僕の場合、AmazonのKindleで読むことが多いです。Kindle本を購入することもありますから、これ一つで全てまかなえています

PDF観覧のアプリも数多くあります。ページめくりや目次、ページ検索機能など、ご自分で使いやすいアプリを選択するのがよいかと思います

初心者へのアドバイス

高価な機材をすぐに購入することに抵抗がある場合は、スキャナーと裁断機のレンタルサービスを利用してみるのも良いでしょう。

ゲオあれこれレンタル などでは、自炊におすすめの機材をレンタルすることも可能です。

また、著作権には十分注意し、私的利用の範囲内で自炊を行うようにしましょう。

これらの機材を揃えれば、あなたも本の自炊を始めることができます。まずは無理のない範囲で挑戦し、快適なデジタル読書ライフを送ってみませんか?

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